血統へのこだわり
但馬(たじま)牛と
黒毛和種
日本を代表する黒毛和種のなかでも、但馬牛の流れをくむ系統が和牛の特長を際立たせています。古くは荷を運んだり農耕で使われてきましたが、役割を終えた牛を食したところ大変おいしく、手柄のあった武将への褒美の食事として手向けられました。また豊臣秀吉が大阪城築城の際には、荷役で活躍した但馬牛たちに武士の身分を与えるほど、胆力のある働きぶりを高く評価しています。この但馬牛のなかにも「蔓(つる)」と呼ばれる地域別の系統があり、長年、優秀な種牛による徹底した雌牛繁殖を行ってきたことが、世界に類をみない純血ブランドを生んだと言えます。明治期より役牛から肉牛へ需要が増えると、一時的に外国種との交配を行いましたが、改めて純血種による繁殖に磨きを掛け、現在に至っています。
ミクロの技術で
マクロのおいしさを
ウシトミライには、高度な知識を持った優秀な研究者たちがいます。選び抜いた血統の雄牛の精子を彼らが採取し、精子の数や活発さを瞬時に判断。徹底した温度管理のもとで力強い精子ストローをつくりあげます。また、それぞれの雄牛がもつ血統の特長を正確にとらえ、躯体、毛並み、骨格、筋肉、肉質、脂質、果ては性格や育ち方に至るまでを分析することで、卵子との相性を想定した受精卵や雌牛への交配に役立てています。ミクロの世界を把握することによって、生まれる前から資質の保証された理想的な牛を予想することができ、次なる経産へとつなげることが可能です。ただ血統だけを追いかけた無理な生産はしない。ウシトミライが目指すのは、それぞれの牛のもつ素晴らしさを最大限に活かし、科学と技術に基づきながらミライを創る牛飼いであることです。